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【レコード制作インタビュー】ATM REC / ゆnovation | 10″レコード制作
久々のレコード制作コラムです。今回は、長年当社にてレコード制作を行ってくださっているレーベル、ATM REC主宰の八木様と同レーベルから10インチEPをリリースされるゆnovation様にインタビューを行いました。
7インチや12インチLPとは違う魅力ある10インチレコードに拘り、専門レーベルとして活動するATM REC。リリース第6弾となる本作は、鍵盤ハーモニカを使用した楽曲制作やライブを行っているゆnovationによる、「拡張するわたし」をテーマに掲げたEPとなる。弊社国内カッティングスタジオに訪れ、一からマスター盤を作る拘りの作品作りに迫ります。
本作の仕様
- 10インチEP *国内弊社スタジオラッカーカッティング
- アウタースリーブ: 4C 背表紙あり / つや消し加工
- DLカード
- シュリンク包装
① ゆnovationさんは鍵盤ハーモニカを主体に自身でもボーカル担当したりトラック制作なども行い、マルチで様々なジャンルの要素を取り入れたスタイルが幅広いファン層に受け入れらていると思いますが、本作「Me, Expanding」に関してATM RECにて10インチレコードでリリースすることになった経緯を教えてください。
ゆnovation:レーベルオーナーの八木さんよりリリースのお誘いをいただきました。ATM RECから過去にリリースされている作品はどれも気に入ってよく聴いているアーティストの作品ばかりだったため、私の作品をリリースさせていただけることは光栄でした。ATM RECの直近の作品は電子音楽が多めですが、拙作のリリースによって有機的な方向に幅が広がったかと思っています。
ATM REC:実はゆnovationさんとはまだ直接会ったことがないのですが、2018年にMaltine Recordsからリリースされた「072」から好きで、ミニアルバム「朗らかに」はCDも10インチも両方買いました。
ゆnovationさんの曲は車の運転中や家で過ごす時間などの日常にすごく寄り添ってくれて、明るい気持ちにさせてくれる音楽なので、是非ATM RECからリリースさせていただいてレコードで聴きたいと思い声を掛けさせていただきました。
② レコードというフォーマットでのデザイン作成にて、工夫をされた点がありましたら教えてください。
ATM REC:10インチレコードのジャケットは約26cm四方と印刷物としては結構大き目なものになる為、そのサイズのデザインがしっかりと出来るデザイナーやイラストレ
画像データや小さい印刷物で成立していても、それをレコードのサイズにした時に良くなるとは限られないので。
そして今回、ゆnovationのリリースが決まった時にジャケットは西村ツチカさんに描いていただきたいと最初から思っていたのでそれが叶って本当に嬉しかったです。
③ 最初に当社でレコード(ラッカーマスター)を制作された際、エンジニアに要望を伝えながら相談してマスター盤を完成させていたかと思います。テスト盤のレコードを手にされた瞬間、最初に針を落とされた瞬間のお気持ちはいかがだったでしょうか。
ゆnovation:カッティング立ち会いの際は、デジタルの音源とマスター盤の音源を交互に聴かせていただき、仕上がりを確認させていただきました。エンジニアの方にカッティングをするにあたってどのように判断して音の処理を行ったかについて丁寧に教えていただき、納得してマスター盤を作成することができました。実際にカッティングを行っていただいた機械やレコードの溝を拡大して見させていただけたことも貴重な経験となり楽しかったです。
ATM REC:私はカッティングの方には立ち会えなかったのですが、テストプレスが届いて聴かせていただいた時は、本当に音が良いなと感じました。うまく表現出来ませんがデジタル音源に遜色ないクリアさなのに、ちゃんとアナログの音という感覚でした。
④ 実際にレコードを制作されてみて、CDやデジタル配信等に比べ、ファンの方々の反応に変化はありましたでしょうか。
ゆnovation:「大きなジャケットで部屋に飾れることが嬉しい」との声をいただきました。私自身も気に入ったジャケットを存在感ある形でディスプレイできることは嬉しいですし、レコードでリリースする醍醐味のひとつだなと感じています。
⑤ 今回当社で制作された作品では「国内カッティング(当社スタジオでのラッカー盤作成)」を選択されています。弊社国内スタジオカッティングをご利用になって、これまでのレコード制作と印象が変わったと感じた点があれば教えてください。
ATM REC:WOLFPACKさんでレコードプレスするのは今回で6回目になるのですが、今までの海外でのDMMカッティングでも十分満足していました。
以前のブログ記事で国内カッティングが可能ということを知り今回お願いしたのですが、カッティングのエンジニアの方がクラブミュージックに精通している方ということもあり、ゆnovationの音楽を理解してカッティングして頂けたのかなと感じています。今までよりもレコードが「人」が作ったものという印象が強くなりました。
⑥ ATM RECはこれまでにも10インチアナログレコードを軸に作品をリリースされています。よろしければ、レコード制作においてのこだわりなどあればお聞かせください。
ATM REC:私は音楽も作れないしデザインも出来ないので、アーティストやデザイナーの方に助言が出来たりはしないのですが、レーベル主宰としてリリースされるレコードがより良い物に出来るように考え提案する事でアーティストの方にATM RECからリリース出来て良かったと思ってもらえるように頑張っています。
⑦ これからレコードを制作しようか迷われている方に向けて、何かアドバイス等ございましたら教えてください。
ゆnovation:デジタル配信やCD作りに比べリリースまでの道のりは長いですが、ひとつひとつの工程で仕上がりを確かめながらモノを作り上げていけるのはレコード制作ならではだなと思いました。これはと思う作品はぜひレコードにして残すことをお勧めします!
ATM REC:音楽を作っている方は沢山いるのですが、その中で自分の曲がレコードになるという体験をする方は本当に少数だと思います。レコードに溝が刻まれ、ジャケットに入って、モノとして完成した時の感動や喜びは何にも代えがたいものかと思いますので自分の作品をリリースする時の候補に是非レコードを検討してみてください。
ゆnovation様、ATM REC八木様のレコード愛溢れるインタビューでした。10インチレコード専門というこだわりのコンセプトを掲げるATM REC、楽曲制作からボーカルまで全てこなすアーティストゆnovationの活動に今後も期待です!
リリース情報
ゆnovation 『Me, Expanding』
Release Date:2024.10
Label:ATM REC
Tracklist:
A1. GOSIG
A2. Me, Expanding SIDE B
B1. HMM
B2. 別の道で
Produce:ゆnovation
Keyboard:四方田(B1)
Guitar:midorim(A1)
Illustration:西村ツチカ
Design:KMI
Ichitaro Ohara
ウルフパックジャパン・マネージャー。1980年生まれ。レコードにまつわる業務に長く関わってきた経験をもって、スムースなサービスができるよう心がけます。
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